千年樹
◇
その異変に気がついたのは、高校に入学してからのことだった――…。
「春ー! 何ぼけっとしてんだよ」
バシッと俺の頭を叩く友人達。
それなりに、人付き合いはそつなくこなせていたとおもう。
勉強だってスポーツだってそうだ。
けれど日に日に何かが足りなくなっていく。
何が足りないのかが、よくわからない。
だから俺は深く考えないようにしていた。
考えないように、思考の奥底に沈めていた。
けれど、それも長くは持たなかった。
その異変に気がついたのは、高校に入学してからのことだった――…。
「春ー! 何ぼけっとしてんだよ」
バシッと俺の頭を叩く友人達。
それなりに、人付き合いはそつなくこなせていたとおもう。
勉強だってスポーツだってそうだ。
けれど日に日に何かが足りなくなっていく。
何が足りないのかが、よくわからない。
だから俺は深く考えないようにしていた。
考えないように、思考の奥底に沈めていた。
けれど、それも長くは持たなかった。