千年樹
あの日の会話から、また代わり映えのない日々がやってきては過ぎていった。



そして今日は、12月24日。
クリスマスイヴ。


雪の舞う、今日に何故合コンがあるのかが未だに謎だ。



友人がズレているのか、俺がズレているのか、そんなの誰にもわからない。



「よしよし! 集まったな」



「………」



友人の仕切る合コンに、皆は黙る。


「じゃあ自由にしていてくれていいからなー」


友人の声と共に皆散らばり、また数人で固まった。

俺はというと、一人寒空の下で、空を眺めていた。


「………」


足跡がして、振り返ると、ニヤニヤと笑いながら近寄ってくる、友人。



「春ー。聞いてくれよー」



「何だよ。引っ付くな」



「なあなあ、あの子! かわいくない?」


そう言って、友人が指を指すのは、黒い髪が腰にまで届いている、女の子。



「………」



「春、ここは一つ頼まれてくれ!」



「は?」



「わー! ありがとう春。感謝感激だぜ」



返事をしてないのにもかかわらず、友人は俺を引っ張って、かわいいといわれる女の子の元へと連れていく。



こいつの行動は読めないから恐ろしい。


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