泣かない家族
あたし達家族も段々と疲れが蓄積されていった。
ジーンズを履こうと思ったらブカブカになっていて、久々に体重計に乗ってみた。
「何・・・これ・・・」
たった1ヶ月ちょっとで5キロも体重が落ちていた。
最近鏡もろくに見ていなかったから慌てて鏡で自分の姿を見た。
頬がこけて目の下にはクマがくっきり出ていた。
首の周りを触ると鎖骨が飛び出している感じがした。
父も顔に色つやがなくなり痩せたと思う。
兄は相変わらず受け入れ先の病院を探しているから目が真っ赤で無精髭が出ていた。
母も衰弱しているけど、あたし達の身体にも変調が出ている。
泊まり込みで看病をしているワケではないのに常に身体が鉛の様に重く、食事を取るのが面倒だった。
あたしが通う北大でも前の薬を落とすのをストップされていた。
急激に痩せたのと確実に自律神経が狂ってきているから危険と見なされての判断だった。
でも、ここでぶっ倒れるワケにはいかない。
今日も笑顔で病院に行かないと。
クマがバレない様にあたしはそれからずっと眼鏡をかけていた。