泣かない家族

病室に戻ると父や兄と母は楽しそうに話をしていた。


「ハル、どこに行ってたの?心配したよ」


母に言われてあたしは泣いたのがバレない様に眼鏡をかけて言った。


「タバコ吸ってた。後は看護士さんにオムツ買ってきて下さいってお願いされてたの。やっぱりお父さんや兄ちゃんは男だから女のあたしにお願いするって言ってた」



「あぁ、そうなの。それはやっぱり女のハルにお願いする事だよね?下の事だもん。そうなんだ。それよりハルも聞いたんでしょ?お母さんビタミン治療するんだって。それで体力回復させて、よくなったら治療するんだよ」



「うん。聞いたよ。ビタミン剤は体力回復させるからね!元気になるね、元気になったら食べれるようになって座れるようになって、免疫療法出来るね!良かったね」



「良かったよー、治療してくれないのは体力がないからなんだね。頑張らないとね」



「そうだよ?しっかり点滴打って復活しないと」


あたしは笑顔で母に言った後、父と母が会話をしてる隙に兄に小声で言った。


「話があるから実家に寄って。3人で決めたい事がある」


兄は頷いてから母の方をみて笑顔でウソみたいなビタミン剤のうんちくを話始めた。

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