美しき彼女は堕ちていく
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「転入生!?」
佐野郷里(サノ・サトリ)は目をまん丸にして、教師を見つめていた。
教師は、郷里から視線を逸らすと頬にキスをして、動揺を誤魔化す。
「もうッ!真哉のキス魔!!」
「郷里だって、嫌!じゃないだろう?」
郷里は顔を真っ赤にして真哉を睨むが、当の本人は『逆にそそる』という様な、余裕ぶっこいた顔で、小テストの採点をしていた。
「はい、烏丸陸斗(カラスマ・リクト)赤点。と...」
郷里は、真哉の横顔をみて『やっぱり好きだな』って思った。
二人は言わば、禁断の関係であり、それでも隠しながら愛し合っていた。
「先生?」
「どうしたんだ?今は二人だから真哉でも...」
「なんかね。ううん、なんでもない」
真哉は郷里の言葉が気になったが、仕事を早く終わらせるため、ペンを走らせた。
郷里は、今日の占いで12位だった事を思い出し、それで“胸がザワザワ”するんだと思い込んだ。
本当はすぐそこまで、もう来ていたのだが....。