放課後の小さな秘密。
バカだ、私……
好きな人と話せたからって
別に何も変わらない。
だって彼にとって
アレは自然な事だったのかもしれないのだから。
近づいた距離が
より一層、遠くに感じた。
ただ君だけに。
たった1人の君だけに
特別に思われたいんだ……
でも―――。
“実緒”
君に名前を呼ばれるだけで
こんなにも
温かい気持ちになるんだよ?
君が私を
呼んでくれるだけでいい
嫉妬や切なさの中に
ほんの僅かな純粋も
残っていた。