放課後の小さな秘密。



「なーんだ。
紗歩、一目惚れしたんだ」


「まだ好きとか決まってない!でも……あぁーバカッ!」



半分、八つ当たりで俺の頭を叩く紗歩。


「痛いって!!!」



「いつまでも一目惚れをバカにしてたら痛い目見るわよ!?
奏馬が一目惚れした時
あたし助けてなんかやらないんだから!」



そう言って紗歩は
ズカズカ先を歩いて行った。



――――俺が一目惚れ?



「ふっ……有り得ないね」



簡単に人を好きだなんて

俺は思わない


――――絶対に。





< 55 / 62 >

この作品をシェア

pagetop