放課後の小さな秘密。



だけど……



「紗歩」



それを知って
今さらどうなるんだ




「好きなんだから仕方ないじゃん」



「……奏馬」



俺の返事に
紗歩は呆れたような顔をした。



でも「やっぱりね」と、
優しく笑った。



当たり前だろ?


一目惚れが嫌いな俺が

初めて一目惚れをしたんだぜ?



実緒だけなんだ。


こんなにも
俺を分かってくれたのも。



こんなにも
俺が誰かを必要としたのも……






< 60 / 62 >

この作品をシェア

pagetop