綺麗な百合にも棘がある
唖然とした。言葉が出ないほどに。

「まぁ、お前を一人前の編集に育てれば、オレの株は上がるだろうな。精々、頑張ってくれや」

意地の悪い笑顔を古賀は笑うと、歩き出した。

自分が夏妃を落とすための手駒とされていたことはショックだった。

立ち尽くす春緋の方を古賀は振り向くと

「おい!ショック受けてるのは勝手だけど、仕事はしっかりやれよ!ガキじゃねぇんだ」

その時、春緋の頭に、

この男にだけは夏妃をやれないという決意が湧いた。



「なっちゃんはあんたになんかに絶対渡しません」

「ほお。言ったな。オレの扱きについてこれてから言うんだな」

「負けません」

夏妃になんと言われようと夏妃は自分が守るのだと心に決めた。
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