フルスロットルラブ
25年目の失恋
『だぁーから、いつまで泣いてんだよ、さっさと泣き止めよ。』
さっきから私の目の前で尊大な態度を取っているこの男。
『アイツに失恋したぐらいでメソメソ泣くな、大体こうなる事は初めっから分かってた事だろうが。』
失恋したての私の心の傷口に、ぐりぐりと遠慮無く塩を塗り付けて来るこの男。
『あのなぁ、お前がそんなにメソメソ泣く程、秋津はそんなに良い男かよ?』
鼻で笑うように、嘲るように、腕を組み、長い脚をクロスさせて、精悍な顔を歪ませて呆れたような眼差しを向けて来る。
目の前の、この傲慢で不遜で尊大な男は、私の幼なじみだ。
「グスッ、しっ仕方ないでしょっ。5年も片思いしてたんだから。」
そう、私は大学3年の時から25歳に至る現在まで、大学の同級生である秋津誠(アキツマコト)君に5年間も片思いをしていたのだ。
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