フルスロットルラブ
最初で最後の恋
コイツに宣言したからにはバカにされないように頑張らなければならない。
また失恋すれば颯真に嫌と言うほど傷を抉られる事だろう…。
4回も抉られればもう十分だ。
と言うかコレ以上心の傷を広げられては適わない。
私だって一応まだナイーブな乙女なのだ。
『失恋を忘れるには次の恋をするのが一番だ。もうオマエの失恋に付き合わされるのはまっぴらゴメンだからな。次こそは絶対に叶う恋をしろ、つーかオレに恋をしろ。』
分かったわよ!
って…
え?
え…!?
今、最後の方に聞き流せないような言葉が聞こえたんですけど…?
え?え!?空耳だったのかな?
もし聞き間違えていたのなら、私はとんでもない勘違い女だ。
そうは思うけれど…、
とてもじゃないが聞き流せない言葉に、恐る恐る颯真に確認してみる。
「え…え?何だか今、颯真に恋をしろっていう風に聞こえたんですけど?」
もしかして私の空耳!?
だとしたら…本当にごめんなさい!
もうこれ以上傷口に塩を塗らないでください!
ここの食事代割り勘にしますから!!
すいませんごめんなさい許して下さい!
そう心の中で謝罪の言葉を唱えつつ、固唾を飲んで颯真の返事を待つ。