フルスロットルラブ

「何なのよっ!大体ね、颯真にはいつも綺麗な女の人が周りにいたじゃない!私だって何度も目撃してるのよ?その綺麗な女の人と一緒にいる所を!」



私が好きとかキライとかの前に、颯真には彼女らしき人がいたでしょうが!



『オマエ、オレに25年も禁欲してろって言うのかよ?』



はぁ!?何言ってんの!



「そんな事言ってないでしょ!」



何を言い出すんだこの男は!



『そういう事だろうが。自分は25年も好き勝手にオレ以外の野郎に恋しておいて、オレには禁欲してオマエだけ見てろって言うのか?どんだけ傲慢な女なんだよオマエは。オレだってな、そんなバカなオマエを待ち続けなきゃならないストレスっつーもんが溜まんだよ。ソレを他の女で解消したってしょうがねぇだろうが。』



はぁっ!?


何よソレ!


ちょっとホントに意味が分からないんですけど!


私が怒られなきゃならない理由が全く分からない。


それに傲慢っていうのは颯真みたいな男の事を言うんでしょうが!


お門違いも甚だしいわ!


理不尽過ぎる理由で一方的に怒られてすんごく腹が立つんだけれど、


でも……


さっき颯真は私だけを見てたって言ってた…。


それってやっぱり、



「私の事が好きなんじゃないの?」



何だかんだ言って本当は私の事が好きなんじゃないの?


出来る事ならば私だってこんな勘違い女みたいな恥ずかしい事は言いたくない。


だけど、これだけ理不尽な事を言われて黙って聞いてるなんて出来ないのよ!

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