フルスロットルラブ

何だか意味の分からない告白のようなものをされて、訳も分からず部屋に連行されようとしているんだけれど、


さっきの颯真の言い分を思い返してみても、どうしても私が悪いとは思えない。


颯真に逆ギレされるような事をした覚えは全く無いのだ。


私はただ恋をしていただけだ。


それもずっと悲しい片思いをしていただけなのに…。


それなのに颯真は怒り出した。


ナゼだか勝手に怒り出した。


それも私が颯真を好きにならないからと言う理不尽な理由で。


今まで一度だってそんな事言って来なかったくせに、今になってそんな理由で怒るなんておかしいんじゃないだろうか?


少なくとも失恋したての私に逆切れするなんて、どう考えても理不尽じゃないか?


そう思った私は、颯真に文句の1つでも言ってやろうと思い、勇気を振り絞って恐る恐る口を開いた…。



「颯真…」


『…黙ってろ。』



がしかし、すぐに握り潰される私の勇気。


まだ何も言ってないわ!!


相変わらず酷い!
この男は酷過ぎる!!!


幼なじみじゃなかったら絶対にお近づきになりたくないタイプの男だ。

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