フルスロットルラブ
動き出す恋
何で私が!と叫び出したい気持ちを必死に抑えて、私は恐る恐る颯真に向かって口を開いた。
「颯真……、ご、ごめんなさい。」
心の中では「私は悪くない!絶対に悪くない!」という声が渦巻いていたけれど、
ここで朝まで説教されたり、罵倒されたり殴られたりするよりはマシだ!とムリヤリ自分に言い聞かせて、とりあえず謝ってみた。
決死の思いで謝罪の意を表してみるものの…、
『ごめんで済んだらケーサツはいらねぇ。』
思いっきり揚げ足取りのヤクザのような回答が帰って来た。
超……怖いんですけど!
じゃあどうすれば良いというんだ!
指でも詰めろと言うのか!?
余りの怖さにチビりそうになっていた私の脳内は、完全に任侠映画の世界に染まっていた。
コワイコワイコワイコワイ!!!
颯真が怖い!!!
ムダに顔と容姿が整っているだけに、怒るとその冷たさが一層際立って本当に怖い!
どうしよう…!!
どうすれば…!?
そんな想いばかりが頭を駆け巡る。
どうしてこうなった?
どうしてこんな事になったんだ!!!