フルスロットルラブ
そんな風に自分の気持ちに気づいたのがたった今だなんて、
今更ながら自分の鈍感さに呆れるけれど。
散々見つめるだけの恋をして来た私が、
その恋を卒業して一歩踏み出すのならば…、
それがきっと今なんだ。
愛しいと想う人を繋ぎ止めておきたいのならば、
自分が傷つく事を恐れていてはだめなんだ。
25歳になってやっと自分の気持ちに気づくなんて、遅過ぎるとは思うけれど、
たった今自覚した自分の気持ちにだけは嘘をつきたくない。
だから今こそ勇気を出して言わなくちゃ…
「そんなヤバイ顔の私が好きなんでしょう?」
でももし間違っていたら恥ずかしいから、一応保険はかけておこう。
そうやってわざと茶化して言う私を許してよね?
『言ってろよ。』
呆れた様に言う颯真に、緊張で震える手を握りしめながら伝えよう。
「ええ勝手に言うわよ、私はそんなヤバイ顔の私が好きな颯真が好きよ。」
言ってしまってますます手の震えが止まらなかったけれど。
恥ずかしくて回りくどい言い方しか出来なかった私の告白が、
どうか颯真に伝わりますようにと、
心の底から願った。