フルスロットルラブ
ちょっ、ちょっと…!
何でアンタが睨み付けるのよ!?
放り投げられたのは私の方でしょうが!!
不本意ながらも私から颯真に好きだと告白した後だと言うのに、
告白の返事1つ貰えないまま、なぜだかベッドに放り投げられた。
何でっ!?
一体何なんだ颯真のヤツ!
何でベッドに放り投げるんだ!!!
しかも思いっきり抱え投げやがって!!
ベッドにバウンドしたじゃないか!!!
何この乱暴な扱い!
酷くない!?
ちょっとアンタね?
せめて…
「告白の返事ぐらい返しなさいよ!」
私の事を好きなのかどうかぐらいハッキリしてよ!
そうじゃないと勇気を振り絞った人生初の告白の意味が無い。
意味も分からずにベッドに放り投げられて、それだけでも十分に酷い扱いだと言うのに。
それなのにこんなにも乱暴な扱いをするなんて、やっぱり颯真は私の事なんて好きじゃないのだろうか…?
そんな不安がムクムクと沸き上がって来る。
『うるせぇしゃべんな黙れブス。』
ゲッ!!!
なんて事言うんだ!
ものすごくムカつくけど、唸るように低い声で言われては怖くて黙るしかない。
だけど…、絶対にブスは余計だと思う!
そして怯える私に視線を合わせると、
『オレはな?25年も待たされてブチ切れてんだよ。さっきの返事ならこれから嫌って程分からせてやる。』
そう言ってスーツのジャケットを脱ぎ捨てると、
ネクタイを弛めながら思いっきり私にのしかかって来た。