フルスロットルラブ
フルスロットルで…
のしっと音が聞こえて来そうな程、遠慮無く覆い被さって来た颯真のせいで視界が暗転する。
「ちょっ、ちょっと!何するのよ!?」
ネクタイを引き抜く仕草が余りに色気を孕んでいて、何だかとても不安になる。
『黙ってろ、時間の無駄だ。これ以上タイムロスさせる気なら酷くするぞ。』
酷くするって…なななな何を?
そんな事を聞こうものならば、本当に容赦無く酷くされそうで、
恐ろし過ぎて口が開けない。
これから何をしようとしているかなんて…、
さすがに25歳とももなれば、何となく察する事は出来る。
ベッドの上に放り投げられて、
颯真が覆い被さって来ているという事は、
多分、きっと…、
これから私は颯真に抱かれるのだろうと思う。
まだ告白の返事も貰っていないのに。
まだ好きだとも言われていないのに。
それなのに…、
私のハジメテは、
処女は、
奪われようとしている!!
そんなのって…あんまりだ!
やっぱり気持ちを通じ合わせてからじゃないと、こんな事はするべきじゃないと思う!
いくら大人だからって同意もナシにこんな事しちゃダメだと思う!