フルスロットルラブ

「酷いじゃないっ…待ってって言ったのに…！」



どんなに叫んでも全然待ってくれなくて、おまけに酷い事ばっかり言って来るし、とどめにブスとまで言われたのに、



『２５年も待たせやがって…、オマエの方が酷い。』



そう言って私をぎゅうぎゅうに抱き潰しながら、

耳元で満たされたように囁いた颯真を、

私はやっぱり好きなのだと思った。



『これから２５年分思い知れ。』



そう言って私の中で容赦無く動き出した颯真に、痛みと幸せを感じながら、

２５年も待たせると本当にロクな目に遭わないと、心の底から思い知った。


こんな初体験、絶対に忘れられない。

忘れられるハズがない。


２５年分を取り戻すかのように一気に縮まった２人の距離は、

もう誰にも引き離せない。