フルスロットルラブ

明らかに不満そうな顔をした私に、



『何が不満だ。』



颯真が不機嫌そうな声で問いかけて来る。


何が不満なのかと聞かれれば…。


それは余りに先を急ごうとする颯真の態度だ。


颯真と結婚する事は嫌じゃない。


今までだってこれからだってずっとずっと颯真の側に居たいと思う。


だから遠くない未来に結婚だってしたいと思う。


だけど何も明日式場を下見する程に急がなくても良いんじゃないだろうか?


それに一番引っかかっているのは、まだ颯真にハッキリとプロポーズされていないという事実だ。


愛してると言う言葉さえさっきやっと言ってくれたのだ。


もしかして颯真はプロポーズなしで結婚しようとしているのだろうか?


だとしたら…、

そんなのは絶対に嫌だ。


一生に一度の事なのだから、出来る事ならば言って貰いたい。


いやいや、本心を言えば是が非でも言って頂きたい。

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