フルスロットルラブ

面食らって腑に落ちない顔をしていると、更に不機嫌さを増した颯真が眼光鋭く睨み付けて来る。



「ちょっ、ちょっと待ってよ！私の意思は必要ないわけ？」


まさか一生に一度のプロポーズまで傲慢な態度で言われると思っていなかった私は、余りに強引な颯真の態度に不満が募る。


そりゃあプロポーズされれば答えはＯＫに決まっているけれど、少しぐらい私の気持ちも確認してくれたって良いじゃない？


そう思うのだれど、



『オマエふざけてんのか？オレは２５年も待ってやったんだぞ、結婚しない訳ねぇだろうが。
それにオマエが無駄にオレを待たせたせいで時間が無いんだ。明日はとっとと式場予約して帰るぞ。』



恐ろしく上から目線で命令して来る颯真に、思わず目が点になった。


何で？どうして…？
なぜそんなにも急いでいるの！？


２５年も待たせてしまった事をそんなにも根に持っているのだろうか？

いや、颯真の事だ確実に根に持っているのだろう。

だけど、そんなに急ぐ意味が分からない。