フルスロットルラブ

「時間ならたっぷりあると思うけど…?」



颯真は"急がば回れ"という言葉を知らないのだろうか?


急ぎ過ぎると良い事がないとおばあちゃんが言ってたぞ!


急いで物事を成し遂げようとするなら、多少の時間や手間がかかったとしても着実な手段を取ったほうが得策だと思うぞ!


そんな事を必死に思っていると、更に苦々しい顔をした颯真が吐き捨てるように言った。



『オマエが言ったんだろうが…。』



え?言ったって…何を?
私が一体何を言ったと言うの?



「な、何を…?」



恐る恐る聞いてみるけれど、眉間にシワが寄りまくりの颯真を見れば、きっと私が何かをやらかしてしまったに違いないのだと確信する。


知らない間に何を言ってしまったんだ私!


こんなに怒りを増幅させている颯真を見るとますます不安が募る。


颯真の眉間のシワはますます深くなる一方で、このままでは眉間のシワに名刺が挟めるのではないかと思える程の深さだ。


かと言って冗談で名刺なんか挟もうものなら、きっと瞬殺されるに違いない!


本気で…こええ!!!

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