フルスロットルラブ

だけどそれが私に出来る精一杯の恋だった。


25年間もコッソリ見つめる恋しかできないなんて情けないと思う。


そしてそんな勇気の無い自分を恥ずかしいとも思う。


だけどそれが25歳になる今も変わらないのだから、私は正真正銘の奥手なウブ子なのだろう。


余りにも奥手過ぎたせいで、大学時代には"奥手ウブ子"というあだ名まで付けられてしまったぐらいだ。


"ウブ子"だけでも十分だというのに"奥手"という名字まで頂いてしまったのだ。

全くもって有り難く無いあだ名だ。


そうして私が"奥手なウブ子"として必死に好きな人を見つめているうちに、彼らはみんな好きな子と両思いになり次々に幸せになって行った。


ただひたすらコッソリと見つめていただけなのだから、私の気持ちが好きな人に伝わるハズも無いのだけれど。


だけど…これだけは言える!


私は私の全身全霊をかけて全力で見つめていたのだ!!!


精一杯ひたすらに見つめていたのだ!!!

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