I wanna be your only lover



駅からバスにゆらゆら揺られ、

ようやくあたしのアパートに着いた。

カギを開けるあたしの背中越しに、タクちゃんがちょっと緊張してるのがわかる。

タクちゃんが女の子の一人暮らしのアパートになんか、

来たことないはず。

ましてやもう夜…

健全な男子ならば、

その先を期待しないわけがない。

あたしはと言えば、

かなり冷静だった。

任務遂行みたいな、義務的な気持ち。

本当だったらあたしもドキドキして緊張くらいしてたはずなんだけどな…

虚しくなる。

いや、それ以上に、そんなテンションのあたしと初体験なんて、

タクちゃんに申し訳なかった。

でも、決めたんだ。

そこだけは、揺らがない。








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