I wanna be your only lover


翌朝、タクちゃんはあたしより早く起きて、朝食を作ってくれた。

前から大得意だと自慢していたオムレツ。

ポイントは牛乳を普通より多めに入れるところらしく、

見た目もふわふわだった。

ぱくりと一口。

「…え、うま!何コレ、ふわふわ!」

「父さん直伝だからね」

調理師のお父さんを持つタクちゃん。

ふふんと自慢げに、嬉しそうに笑う。

ああ、幸せだなぁと思った。

タクちゃんはあたしに安らぎをくれる。

タクちゃんしか、

見えなければ良かったのに。

優しい優しい、タクちゃんだけが。







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