I wanna be your only lover


昨夜、あたしの問いかけもとい告白にタクさんは、

ひたすら困惑していた。

『え?え?美生ちゃんが?俺を?え?』

…こんな具合におろおろしつつも、

しっかりあたしを支えてコテージに連れて行ってくれたのを覚えている。

しかしコテージのベッドにあたしが入るのを見届けた直後、

『しっかり寝ろよ』

とだけ言い残してみんなのところへ行ってしまった。

あたしのほんの少しの希望と、

ほんの少しの期待はその瞬間やぶれた。

酔っていたからというのもあるけれど、

あわよくば付き合ってもらえるかも、なんて最低な希望と、

彼女がいるからと即座に断ってもらえて、全て何事もなかったことにできるかもという現実的な期待だ。





でも、どうして断られなかったんだろう。
わからない。

これからどう振る舞ったらいいのかも、

これからこの想いをどうしたらいいのかも…





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