I wanna be your only lover
『美生へ
ごめん、いきなりいなくなったりして。
あと、嫌な態度とったりしたことごめんね。
許してほしいとは思ってないけど、
どうしても美生にだけ知ってほしいことがあるの。
そして、タクやお父さん、お母さんには黙っていてほしいこと。
…あたしね、
タクのことが、
ずっとずっと小さいときから、
すきだったんだ。
姉弟なのにおかしいよね。
でも、だからこそ、
誰かにずっと打ち明けたかった。
…それができないから、
こんなに苦しいのかな。
美生がタクと付き合ったって聞いたとき、
頭が真っ白になった。
タクのそばにいるのは、あたしだって、
ばかみたいに信じてたから。
そしてずっとこれからもこの気持ちを押し殺すことはできない。
かと言って美生とタクに悲しい思いさせて、もう元通りの3人になれないのもいや。
だから、
だから。
あたしは退場します。
ごめん、ごめんね、美生。
今までありがとう。
さよなら』
“サヨナラ”…?
頭の中で冷たく響くその言葉は、
残酷な程にあたしに現実を突きつけた。