最強彼女はNo.1!?
〜笥箕目線〜
あれから萌架を俺の家に居座らせている。
精神的にはだいぶ落ち着いてきたようだがそれでもまだ儚い雰囲気を纏っていて、一人にさせるのは不安な状態だ。
族の集まりに出るときは勿論、萌架も連れていっている。
家の中では自由にしていいと言っているのにトイレと風呂以外は部屋を出ようともしない。
気を遣っているのかもしれない。
夜。
族の集まりから帰ってきて萌架は疲れたのかすぐに眠りについた。
寝ている萌架の隣に腰をおろし、考える。
充は萌架の一番近くにいたはずなのに、こんなに傷つけた。
一番近くにいて、一体萌架の何を見てきたのだろうか?
萌架は強いかもしれない。
だけど心情はまったくの別物だ。
それを、一番近くで、隣で見てきたはずの充が萌架を傷つけた。
何を考えてなのかは知らないし知る義理はないと思う。
だけど萌架を傷つけた代償はかなり大きいってことを思い知ってもらわなきゃ。
隣で規則正しい寝息をたてている萌架の髪を梳きながら、明日充を呼び出すことを決めた。
───…すべては萌架の為に
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