最強彼女はNo.1!?
笥箕のその言葉に反応したのは充だけでなく、湊迩もだった。
充はなんで笥箕が知っているのか。
湊迩は充が萌架に何を言ったのか。
二人とも違う意味でだが反応したのだ。
湊迩は充に問いただそうと影から出て行こうとしたが笥箕のまだ来るなという視線に動かそうとしていた足を止めた。
充は充で、笥箕の”他の誰かと付き合わせれば良かった”という言葉に愕然としていた。
そしてその言葉に充は笥箕へ恐怖を抱かせた。
それを聞いていた湊迩にもコイツ…笥箕だけは敵に回したくない相手だなと思わせた。
そこからは底冷えするような空気が辺りに漂い誰も動ける雰囲気ではなかった。
そしてそんな雰囲気を破ったのは着信音。
着信を告げている携帯は笥箕のもので眉を寄せながら携帯を取り出すものの着信相手が誰か分かると頬を緩めた。
「もしもし?どした?」
笥箕が発した声は甘く、まるで恋人に話すような感じでどこか居心地の悪さを充と湊迩は感じた。
しかもスピーカーにしてるのか相手の声も聞こえてくる。
「笥箕?今日遅くなるって聞いてないんだけど…」
どこか不安そうな、だけど聞いたことのある声に充と湊迩は反射的に顔を笥箕の携帯へと向けた。
「んー、ごめんごめん。ちょっとお仕置きするつもりが長引いてた。早く帰るからいい子で、な?」
その言葉のあとに息を呑んだ音が聞こえたがすぐにブツッと通話が途切れた。
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