灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
『義理の両親の会社を手伝ってる
んだ。』
思い切って聞いてみると、
あまりにもごく自然に
そう言われて拍子抜けした。
『今は少しヤマ抱えててね。これから
ちょっと忙しくなる。』
『五千万をかけた契約…?』
『ああ。一命は取り留めたさ。幹部の
ミスは俺のミスでもある。任せっき
りだったのが悪かったのかもな。』
淡々と話しながら朝食を口に
運んでる。
『あんたもしかして社長!?』
この若さで!?
いや、いくつか正直わかんないけど。
素っ頓狂な声を出すあたしに
郷田はニッコリ微笑んだ。
『みたいなもんかな。』
興味はないけど
あの大金の意味が何となく
理解出来た…?