灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



ふと、目の前から笑い声が
聞こえてきた。



『益々素性がわからないだろ?だから
 信用されないんだろうな。』



ちゃんとわかってんじゃん……。



『まぁ、慣れてるさ。他人なんてアキ
 以外興味ないから。』


 
よくも平気な顔して言えるよね。
キモイんだけど?



『あんたさ…正直なところあたしを
 どうしたいわけ?そこまで執着
 する意味があるの?』



幾度とはぐらかされてきた質問。
ここまできたら、
あたしにも知る権利あるよね?



『それはアキ自身なんじゃない?』



『え…?』



どういう意味?
なんか余裕ぶっててすごく
しゃくに障るんだけど。
またはぐらかすつもり?



『俺は自分の気持ち、伝えたよな?
 でもアキからの返事は聞いてない。
 それってつまり、今は俺一人の一
 方通行だろ?アキの気持ち聞いて
 から初めて答えられる質問だな。』



『……………。』











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