灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
『ああ、わかってる。で?詳細は?』
携帯で話しながら、首筋を
愛撫し始める。
『ちょっと…!』
思わず声を出してしまったあたしに
『シーッ!』とウインクするのは
ズルい。
電話中だから声を出せないのを
いいことに、躰をねじっても
郷田は逃がしてくれない。
携帯から聞こえる相手の声に軽く
相づちを打ちながら
チクンとキスマークを付けた。
ジェスチャーで拒否したら
余計に煽ったみたいで後悔する。
『わかった。また明日にでも連絡
するよ。』
そう言って乱暴に携帯を放り投げて
ソファーに押し倒される。
『て、てめぇ……』
呆れた顔で見上げるあたしとは逆で
熱っぽい視線で見つめてる。
それだけで言葉は引っ込んだ。
こんな明るい場所で……?