灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



ぼやけた視界で睨み付けたら
ようやく事態を把握したのか、
郷田の顔つきが明らかに変わった。



『アキ……違うんだ……!』



『来ないで……!』



郷田の動きも止まる。



『うぅ……!なんで……なんでよ……!』



なんで……此処にあるの……?
なんで……持ってるのよ……!



混乱したままビリビリに破れた紙を
握りしめていた。



『アキ、俺の話を聞いてくれ。』



『いや!聞きたくない!』



『アキ……!』



近付いてくるのがわかって
あたしは身震いしながら拒んだ。



『いやいやいやぁ……!』



掴まれても必死に抵抗した。










< 153 / 300 >

この作品をシェア

pagetop