灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
ぼやけた視界で睨み付けたら
ようやく事態を把握したのか、
郷田の顔つきが明らかに変わった。
『アキ……違うんだ……!』
『来ないで……!』
郷田の動きも止まる。
『うぅ……!なんで……なんでよ……!』
なんで……此処にあるの……?
なんで……持ってるのよ……!
混乱したままビリビリに破れた紙を
握りしめていた。
『アキ、俺の話を聞いてくれ。』
『いや!聞きたくない!』
『アキ……!』
近付いてくるのがわかって
あたしは身震いしながら拒んだ。
『いやいやいやぁ……!』
掴まれても必死に抵抗した。