灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
『郷田……もう一度呼んで……?』
頬を濡らした郷田が戸惑いながら
あたしを見てる。
『名前……呼んで……?』
また一粒の雫が郷田の頬を伝った。
『ゆら……ゆら……!』
重なる唇。
それは、サヨナラのしるし。
郷田……もう止めよう?
傷を舐めあうのはたくさんだよ……
遊びは止めて
次は普通の子と恋愛しなよ……
あたしなんか忘れて
もっとマトモな人生送りなよね……
この唇が離れたら、
あたしたちも終わり……