灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
『ミホ、ピンセット持ってない?』
『は…?ピンセット?』
細く透き通った声。
探偵を睨みつけながら
舌打ちして部屋に戻っていく。
素直にピンセットを持ってきた。
『動かないで。』
そう言うと器用にピンセットを
動かし、破片を取り除く。
痛くて何度か動いてしまう。
『はい。コレ入ってた。後で消毒しな?』
血の付着した破片を見せて
ちりとりの上に捨てた。
『すみません…。』
終始、目を伏せていたが
すぐにゆらは立ち上がって
金髪の子に話しかける。
『ミホ、駄目じゃん。あたしもう
反省室ヤダからね。』
その言葉に反応し、
金髪の子はゆらに抱きついた。