灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
~もつれた糸~
次の日も、その次の日も
君は部屋から出てくることは
なかった。
“金髪の彼女の名前は、大場ミホ。
現在19歳で入所歴は10年です。
彼女と何かしら問題を起こした
ようですね。別室で隔離中です。”
ゆらが言っていた、反省室だろうか。
もしかして……脱走するのか?
もしそうだとしたら……
頼む。
失敗しないでくれ…!
警備の目が光ると厄介だ。
『郷田さん。』
探偵の声に反応する。
『おそらく、そろそろ大場ミホの方から
脱走の話を持ちかけるはずです。』
『え…?』
『必ず二人で姿を眩ませるはず。』
どうして…そう言い切れる…?
『三日後、北館の一部に警備の穴が
あきます。その情報をすでに大場
ミホは握っています。間違いあり
ません。』