灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
だからどんな可能性でも
俺は探し続けるよ。
ゆらの面影は頭に叩き込んである。
危ない場所にだって何度も足を運ぶ。
居ないとわかっていても、
隅々まで見て回る。
絡んでくる奴には名刺を渡しておいた。
『安西ゆらという女が居たらここに
連絡してくれ。歳は23だ。』
両腕に刺青を入れた男たちは
ひゃっひゃと笑っている。
『え~可愛かったら襲っちゃうよ?』
ジロリと睨みをきかせると
男たちは黙る。
『その時は、遠慮なくお前を殺す。』
全てを犠牲にしてでも守りたい。
誰一人、指一本触れさせない。
この俺が真の怒りに触れた時、
人を殺めることなど何の抵抗も
感じないだろう。
例え手を赤く染めようと
俺は俺のやり方でゆらを守る。
守ってみせる。