灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
相手は男二人だ。
力では勝てないはず。
もしも密室で襲われていたら……!
そう考えると
居てもたってもいられなくなり
店内出入り口に向かって
足は動き出した。
だけどその瞬間…!
『………………!』
出入り口から颯爽と出てきた彼女。
正面から見た彼女は、
間違いなくゆらだった。
キャップ帽を深くかぶっていたが、
この俺が見間違えるはずがない。
ピンクのTシャツにデニムの
ミニスカート。
慌てて後を追った。
高鳴る胸は静まり方を知らない。
男二人は……?
まいてきたのか……?
これから何処に向かうんだ?
繁華街を通り抜け、
住宅街の方へ進んでいく。
途中、何人かに声をかけられても
適当に交わして断っていた。