灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



フッと笑う冷たい微笑。



『自殺か…それもいいね。』



そんなことはさせない。
ゆら……やっと見つけた。



『人生つまんないか?』



自然と口から出た言葉。



『つまんないねぇ……』



俺だってつまんなかったよ。
お前に出逢うまではな。



『だったらやり直してみるか?』



俺がそう言うとほんの少し驚いた
表情でこっちを向いた。
すかさず手を差し伸べる。



『とりあえずこっちに降りたら
 どうだ?』



『嫌だと言ったら?』



『力付くで降ろすまでだ。』



ここで失うわけにはいかないんだよ。
何が何でも連れて帰る。










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