灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



言っただろ?
離れたって繰り返すんだよ
俺たちは。
何度だって巡り会う。
そういう運命なんだ。



ゆらは異常者なんかじゃない。
間違ったレッテルを貼られた
健常者だ。
ゆら自身も気付いているんじゃ
ないのか…?



自分ではどうしようもない闇に
呑み込まれて、
自力で這い上がれないだけじゃ
ないのか?
何かの渦に自ら巻き込まれている
んじゃないかとさえ思う。



全てを話しても
うちに秘めた想いは救われない
だろう。
この想いを打ち明けても
ゆらの心は動かない。



少しずつ溶け始めているような
気がしてた。
もしかしたら信じ始めてくれて
いたかもしれない。
俺はそれを自らの手で壊したんだな…。



『信じてほしい。』



絶対にお前を裏切らないから。
この命が尽きるまで
そばに居させてくれ……。



泣かせてごめん。
騙す形になったこと、
申し訳ないと思ってる。












< 222 / 300 >

この作品をシェア

pagetop