灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~





出しっぱなしのシャワー音が
バスルームにこだまする。



『ん………はぁ……』



絡み合う二つの影。
泡だらけの躰に濡れた髪。



『ゆら……名前呼んで…?』



あの日から、
あたしたちは何度も繋がっている。
時には食事も忘れて…。



『郷田……』



深く後ろから突かれて
悲鳴をあげてしまう。



『違うだろ。』



荒い吐息が鼓膜を刺激する。



『あ……秋人……!』



郷田はこうして要求する。
果てる瞬間の歪む顔が好き…。
離れてはくっついて…これをほぼ
毎日繰り返している。



寝てもさめても、
郷田の躰はあたしに反応してくれて
るみたいだ。
たまに拒んでみようとしても
優しく見つめられたら
それにあたしも応えてる。



甘い罠にハマってる。










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