灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



キュッと閉めたシャワーの蛇口。
ポタポタと滴り落ちる雫が
足元に落ちる。
濡れた毛先を絞り、バスローブに
身を包んだ。



部屋に戻るとベットの上に下着姿
のオッサン。
もうすでに鼻息が荒い。
手にはロープを握りしめて。



『コレで縛ってくれないか?』



『パパってこういうこと?』



『外ではパパだ。何でも買ってあげる
 よ。でもこういう所では僕を痛めつ
 けつくれないか…?』



『バカじゃないの?』



『いいね、その目つき。そそられるよ。』



この躰でヤるつもりはない。
でもこんな簡単にお金をもらえるの
だろうか。
そんな甘い話があるわけない。
コイツ、絶対何か企んでる。



『前払いだよ。』



『途中で逃げないよね?』










< 244 / 300 >

この作品をシェア

pagetop