灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
キュッと閉めたシャワーの蛇口。
ポタポタと滴り落ちる雫が
足元に落ちる。
濡れた毛先を絞り、バスローブに
身を包んだ。
部屋に戻るとベットの上に下着姿
のオッサン。
もうすでに鼻息が荒い。
手にはロープを握りしめて。
『コレで縛ってくれないか?』
『パパってこういうこと?』
『外ではパパだ。何でも買ってあげる
よ。でもこういう所では僕を痛めつ
けつくれないか…?』
『バカじゃないの?』
『いいね、その目つき。そそられるよ。』
この躰でヤるつもりはない。
でもこんな簡単にお金をもらえるの
だろうか。
そんな甘い話があるわけない。
コイツ、絶対何か企んでる。
『前払いだよ。』
『途中で逃げないよね?』