灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



このまま殺めたらどうなるだろう?
今なら簡単に出来るんじゃないか?
一夜限りの相手だし、
この後ヤられるくらいなら先に……。



『最高です……
 今度は殴ってください。』



こいつ……イカレてる。



気の済むまで平手打ちや拳で殴った。
叩くたびに荒くなる息遣いに
背筋が凍りつく。



『もっと…』と煽る視線に殺意が
芽生える。



ドサッと床に寝そべり、
笑いながら相手は意識を手放した。
スースーと寝息をたてていることを
確認して、服を着た。



気持ち悪い……。



急いで身支度をし、
部屋を出ようとしたその瞬間。



足がもつれて倒れそうになる。



片足が動かない。



『……………!』



痛いほど足首に指圧がかかっている。
ゆっくり足元を見ると
しっかりとあたしの足首を握り、
ニヤリと笑う相手と目が合った。











< 246 / 300 >

この作品をシェア

pagetop