灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
このまま殺めたらどうなるだろう?
今なら簡単に出来るんじゃないか?
一夜限りの相手だし、
この後ヤられるくらいなら先に……。
『最高です……
今度は殴ってください。』
こいつ……イカレてる。
気の済むまで平手打ちや拳で殴った。
叩くたびに荒くなる息遣いに
背筋が凍りつく。
『もっと…』と煽る視線に殺意が
芽生える。
ドサッと床に寝そべり、
笑いながら相手は意識を手放した。
スースーと寝息をたてていることを
確認して、服を着た。
気持ち悪い……。
急いで身支度をし、
部屋を出ようとしたその瞬間。
足がもつれて倒れそうになる。
片足が動かない。
『……………!』
痛いほど足首に指圧がかかっている。
ゆっくり足元を見ると
しっかりとあたしの足首を握り、
ニヤリと笑う相手と目が合った。