灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~



『今度はキミが奴隷だよ。』



耳元でそう聞こえた後、真っ暗闇に
襲われた。
奈落の底に突き落とされた感覚だけ
鮮明に覚えている。
その分、ある意味救われたのかも
しれない。



次に目覚めたのは、バスルームだった。



泡風呂に浸かりながら
今まさに相手があたしの腕を洗っていた。



とっさに突き飛ばし湯船からあがる。
びしょ濡れのまま服を探した。



『昨日は最高だったよ。またパパを
 楽しませてくれよな。』



背後で聞こえた声に動きは止まる。
震えるほどの怒りを感じたのは
久しぶりだ。
下半身に鈍い痛みがはしる。



どんな形であれ、
あたしが犯されたことに違いは
なさそうだ。
想像しただけで吐き気がする。



この躰を………



唯一愛してくれた躰を………



テメェが汚した………










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