灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
『こんなの大したことじゃない。』
脱脂綿を奪い取り、消毒液をかける。
そのまま口元に当ててやると
『イテ…!』と反射的に仰け反る。
額の傷もゆっくりとガーゼで
保護した。
『ねぇ……』
やっぱり気になるから聞いて
みることにした。
『どうして、あの場所にあんたが
居たの?』
救急箱に直す手が一瞬止まる。
『…さあな。』
曖昧な答え。
立ち上がってあたしを見下ろしたまま
次の言葉を放つ。
『どうせあの薬でオヤジでも引っ掛け
たんだろう?アイツらは前に引っ掛
けたヤツらか?少しは自分の行動を
反省しろ。』