灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~





目を覚ますと、見覚えのない天井が
映り躰を起こす。
激しい頭痛と眩暈があたしを襲う。



額に濡れたタオルが置かれていた
ようだ。



隣でうたた寝していた郷田が目を
覚ました。



『具合はどうだ?ひどくうなされて
 いたけど。』



『此処は…?』



『すまない。顔を見られなくて済む
 ラブホの方が入りやすくて。』



ドキッとした。
あの悪夢がまた脳裏をかすめる。
あたしは汚い……
醜い……殺人鬼だ……。



『今、何時!?』



『え…?夜の8時だけど。』



『お願い…テレビ付けてくれる?』



もうあれから10時間以上経過している。
見つかっているかもしれない。









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