灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
付いたテレビに目が釘付けになる。
まだどの局もニュースなど伝えて
いないけど、震える躰を抑えながら
ジッと画面を見据えた。
『どうかした?』
郷田の声に肩を上げてしまう。
『……別に。』
冷や汗がジワッと滲み出る。
ニュースで流れるのも時間の問題だ。
指紋や頭髪、爪跡なんかで一気に
バレる。
動揺してたからちゃんと消せたか
どうかも定かじゃない。
こんなところに居たら、すぐに
マークされてしまう…!
ベットから飛び降りて出口に向かう。
すぐに腕を掴まれ郷田は事情を
聞いてきた。
『時間がないの。離して…!』
『その躰で…!?無茶だ。』
『捕まるわけにはいかないんだよ…!』
言った後でひどく後悔した。
目を丸くした郷田は、簡単に手を
離してくれない。
『説明してくれ。何があっても驚かな
いから。』
お願い……
全部話したらあたしの元から去って
ほしいの……
気味悪がって逃げてほしいよ……。