灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
ムッとして即座に言い返した。
『引っ掛かるヤツが悪いんじゃん。
男は考えてることなんか同じじゃ
ない。ヤりたいだけでしょ。』
『お前、今まで何人と寝たんだ?』
またあの、息を呑むような
鋭い目つきであたしを見てる。
『さあね。答える義務なんてないと
思うけど?』
腐るほどあたしの躰で抜いた
ヤツは居るよ。
最近になって、上手く交わせる
ようになったけど。
頭を抱えるように、
もう一度ベットにドサッと
腰を下ろした。
ゆっくりと顔を上げた男は
真っすぐに柔らかい眼差しを
向けてる。
『何?汚れた人間見て哀れんでる
つもり?』
男は何も言い返してこない。
ただジッとあたしを見ている。
その灰色の瞳に吸い込まれそうで
動けない。
一瞬で惹きつけて
なかなかあたしを解放してくれない。