灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
郷田はゆっくりと首を振った。
『そんなの関係ない。今此処に
ユラが居れば充分だ。』
優しく抱き寄せる腕にこの身を
任せた。
あたしはまだ、郷田を必要としてる。
最低だ……。
巻き込みたくないよ。
『バカ……離れた意味ないじゃん…!』
背中を叩いたら郷田は少し笑った。
『離れる意味がわからない。』
この世に意味のないことなんて
あるの…?
いつしか二人で話したこともあった。
全てに意味はあるって郷田は
言ったのに…。
もしそうだとしたら、
この結末にも意味があるの……?