灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
満天の星空が降り注ぐ夜。
あたしたちは愛しあえたの。
誰も居ない空間で
ひとつになれた。
まるで時間が止まったかのように
二人の世界が
そこには存在した。
街を離れ、連れてこられたのは
緑に囲まれたコテージ。
郷田の所有地だ。
家具もない殺風景な広い部屋に
キングベットとソファー。
ごちゃごちゃしていないのが
郷田らしい。
もうそんなに時間はない。
残された時間を郷田と過ごせることが
一番の幸せだと思う。