灰色の瞳~例えば異常者だとしたら~
郷田の後について回り、
手にした服をあたしの前に
当てては首を傾げて
『雰囲気が違うな』とか
ほざいてる。
『ていうかあたし、こんな服
着ないし!』
合わせてくる服はどれも
ドレスワンピース。
どこのパーティー行くんだよ。
『あ、そう?でも一着くらい
持っとけよ。ハイ、試着。』
『はっ!?』
『着るのはタダなんだぞ。あ、
すみません!試着します!』
『ちょっと…!』
『あ、それと……』
人の話なんて聞いちゃいない。
女性スタッフに何か耳打ちした後、
ニコニコしながら
フィッティングルームに連れて
行かれる。
『では早速失礼します。』
『ひゃっ!』
素早くメジャーで胸囲を測られ、
いくつかの下着を見せられた。
『お好みのデザインをお選びください
ませ。』
目立たない薄いピンク色を選んだ。